
なぜWordPressのバックアップが重要なのか?
企業や団体のウェブサイトは、ブランドの信頼性やビジネスの継続性に直結する重要な資産です。しかし、サイバー攻撃、システムの不具合、人的な操作ミスなど、予期せぬトラブルによってウェブサイトが正常に表示されない、壊れて元に戻せない、ウィルスに感染してしまったなど、大小問わず被害を受けている方が少なくありません。万一の事態に備えてウェブサイト(WordPress)の定期的なバックアップを行うことが不可欠です。
バックアップを適切に行うことで、以下のようなメリットがあります。
- サイトの改ざんやハッキング被害を受けた際に迅速に復旧できる
- システムやプラグインの更新による不具合が生じても元に戻せる
- サーバートラブルやデータベースの破損時も安心して対処できる
WordPressの正しいバックアップ方法
バックアップは、適切な方法と頻度で行うことが重要です。ここでは、基本的なバックアップ手順を紹介します。
1. バックアップするべきデータ
WordPressのバックアップを取る際には、以下の2つの要素を確実に保存しましょう。
- データベース(投稿記事、コメント、設定情報など)
- ファイル(テーマ、プラグイン、アップロードした画像・動画など)
2. バックアップの方法
バックアップは大きく分けて3つの方法で行うことができます。
① プラグインを使用する
初心者でも手軽にバックアップが取れる方法として、専用のプラグインを利用するのが一般的です。
おすすめのバックアッププラグインとその特徴
- UpdraftPlus
- 最も人気のあるバックアッププラグインで、100万以上のアクティブインストール数を誇る。
- ワンクリックでバックアップの作成と復元が可能。
- Google Drive、Dropbox、OneDriveなどのクラウドストレージに保存できる。
- スケジュール設定により、自動バックアップが簡単に実施できる。
- BackWPup
- データベースやファイルのバックアップを自動化。
- 外部ストレージ(Dropbox、FTP、Amazon S3 など)への保存が可能。
- WordPressの管理画面から簡単にバックアップのスケジュール設定ができる。
- 無料版でも基本的なバックアップ機能が充実している。
- All-in-One WP Migration
- バックアップだけでなく、サイトの移行や復元にも最適。
- シンプルなUIで初心者でも簡単に操作できる。
- バックアップデータをダウンロードし、すぐに別の環境へ移行可能。
- クラウドストレージとの連携も可能(有料版)。
② 手動でバックアップを行う
プラグインを使用せずに、手動でバックアップを取得する方法もあります。
- データベースのバックアップ
- WordPressの管理画面(phpMyAdmin)にログインし、データベースをエクスポート。
- SQLファイルをローカルPCやクラウドに保存。
- ファイルのバックアップ
- FTPソフト(FileZilla など)を使い、
wp-content
フォルダやwp-config.php
ファイルをダウンロード。 - ZIP形式に圧縮してNASサーバなどに保管。
- FTPソフト(FileZilla など)を使い、
③ ホスティング会社のバックアップサービスを利用する
多くのレンタルサーバーでは、自動バックアップサービスを提供しています。
- エックスサーバー、さくらインターネット、ConoHa WINGなどでは、一定期間のバックアップを保持。
- 万が一の際に管理画面から復元可能。
バックアップの頻度と保存場所
1. バックアップの頻度
- 毎日:頻繁に更新されるサイト(ブログ、ニュースサイト、ECサイト)
- 週1回:定期的に更新されるコーポレートサイト
- 月1回:ほとんど更新のない静的サイト
2. 保存場所の選定
バックアップデータは、サーバーだけでなく以下のような外部ストレージにも保存しましょう。
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox、OneDrive など)
- 外付けHDDやNAS
- 別のサーバーやレンタルストレージ
バックアップ後の確認と運用
バックアップを取った後は、
- データが正常に保存されているか確認
- 定期的に復元テストを実施する ことが重要です。
また、バックアップファイルは長期間保存しすぎず、古いデータは定期的に削除・整理することで、管理の負担を軽減できます。
まとめ
WordPressサイトのバックアップは、サイトを安全に運用するための基本中の基本です。
- データベースとファイルをセットでバックアップする
- 自動バックアップを設定し、定期的な手動のバックアップも併用する
- 保存先を分散し、定期的にバックアップデータを確認する
ウェブ担当者ご自身で実施することも可能ですが、WordPressに慣れている制作会社に依頼してしまうことも検討すると安心です(WordPress保守管理メンテナンス)。
これらのポイントを押さえて、トラブル発生時にも安心できるWordPress運用を実践しましょう。